ある時、最愛の人との宇宙規模の遠距離愛が始まった。
彼の中に自分の光と闇を観たように、宇宙の中に自分の光と闇を観る。
そしてそれを越えようと、ふたりで同時に取り組む。
こんなにも自分をさらけ出せる人はいないと気づいた、かつての日。
ふたりはこの人なら傷つけられてもいい、たとえ傷つけあったとしてもそれ以上に許し合えることをその時、互いに確信した。
長くて短い年月のなかで、愛は深まり、いつも驚くほど新鮮で、互いの可能性を導きあった。
醜さも恐れも美しさも勇気も、ふたりが繋ぎあった手の中で輝いていた。
でもその後、これ以上ないほどの悲しみと切なさがやってきて、互いに触れ合うことの出来ない時空を体験することになる。
愛し合った声や仕草がそこになく、ただ自分の中で感じるしかない。
涙が止めどなく溢れて、寂しさが押し寄せてくる。
だけれど、ある日気づくのだ。
ふたりは離れ離れになっていないことを。今も繋がりあい、ふたつでひとつであることを。
今、最愛の人との宇宙規模の遠距離愛に距離はない。
世界の中にふたつがひとつの光と闇を観るように、宇宙の中にふたつがひとつの光と闇を観る。
距離も時間も無く、ただひとつとして、世界中に愛が溢れるのを感じる。
そして、宇宙中が祝福に満たされていく。